第4次産業革命という言葉は、ドイツが2012年から打ち出している「インダストリー4.0」を日本語化したものです。日本では2015年が「第4次産業革命元年」とされています。
18世紀末以降の第1次産業革命では水力や蒸気機関による工場の機械化が出現し、20世紀初頭の第2次産業革命では、電力と石油を用いて分業に基づく大量生産が実現しました。1970年代初頭からの第3次産業革命では「コンピューター」が登場し自動化(オートメーション)が進みました。第4次産業革命では、様々なモノがインターネットにつながり(IoT:Internet of Things)、それらのデータが大量に蓄積され(ビッグデータ)、さらにコンピューターが自ら学習し一定の判断を行うまでに進化した人工知能(AI:Artificial Intelligence)がそれらのデータを解析し、人間に代わり実際に機械を制御する(ロボット)ようになると言われています。
第4次産業革命の進展は、生産、販売、消費といった経済活動に加え、健康、医療、公共サービス等の幅広い分野や、人々の働き方、ライフスタイルにも影響を及ぼします。
例えば、技術革新により、
などが可能となります。
これらにより、生産者側からみれば、製品・サービスの生産・提供のあり方が大きく変化して、生産効率が飛躍的に向上する可能性があり、消費者側からみれば、既存の製品・サービスをより低価格で好きな時に適量購入できるだけでなく、新たな製品・サービスを享受できることが期待されます。
政府は、第4次産業革命の技術革新をあらゆる産業や社会生活に取り入れることにより、様々な社会課題を解決するSociety 5.0を世界に先駆けて実現することとしています。
既に官民挙げてIoTやビッグデータなどの取り組みが行われており、情報通信白書平成29年版によれば、日本でも2020年~2025年にかけて、第4次産業革命の効果と呼べるものごとが相当に顕在化すると期待されています。(出典:情報通信白書平成29年版 第1部第3章第2節「第4次産業革命に向けた取組及び課題」)
次ページ以降で、「Society 5.0」、「IoT」、「センサー」、「クラウド」、「ビッグデータ」、「AI」、「ロボット」、「AR・VR」、「フィンテック」、「シェアリングエコノミー」など、第4次産業革命に関わる事項について、解説します。