センサーは、ある対象の状態を監視したり検知や計測などを行うデバイスや機器のことです。
マイクロスイッチ型のセンサーは1950年代頃にオートメーション化における自動制御に欠かせないものとして誕生しました。続いて複雑・高度化する自動制御を実現するため、トランジスタなどの電子技術を背景に、より高速・高頻度な使用に耐えられる非接触型の近接センサーが開発され、主に工業の生産性向上に寄与しました。その後、光のもつ波長特性を応用したカラーセンサーなど、マイクロコンピューターやLEDなどを組み合わせたより高度なセンサーが誕生して、現在では家庭や個人でも使う様々な製品に組み込まれています。
IoTにおいてはセンサーが極めて重要な役割を果たします。モノがインターネットでつながっても、単につながっているだけでは何の意味も持ちません。モノに組み込まれたセンサーがセンシングしたデータを、インターネット等を介して収集・蓄積・分析され、それをビジネスや社会環境に活かされてこそ、IoTなのです。
IoTで用いられるセンサーとしては、以下のようなものが挙げられます。
例えば、温度、湿度、気圧、照度、騒音などのセンサーは環境をモニターするIoTで使われます。
センサー単独ではネットワークにデータを送ることはできませんので、IoTでは一般にセンシングデータをネットワーク上に送るための組み込み機器(特定用途のためにソフトウェアによって制御される機器)の形で利用されます。
組み込み機器とデータを受け取る側(一般にはクラウド上のサーバ)との間の通信には、通常の有線/無線LANを介するブロードバンドネットワークでも可能ですが、実際のIoTサービスでは、移動する車内や屋外など、さまざまな場所にある多数のモノが、サーバとデータを何度もやりとりされますので、IotやM2M(Machine to Machine)通信に適した通信技術が用いられることが多いようです。